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ウルヴァリン&The X-MEN #1 プレビュー&レビュー 後編

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ローガン校長とキティジーングレイ学園案内ツアー、続きです。前編はこちら

教育省の査察官たちに学園を案内するローガンとキティだが、トラブルだらけの校内に印象は悪くなるばかり。このままだと学園閉鎖のピンチ。救えるのは誰だ?
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「優秀な生徒の一人をご紹介します。イディ・オコンクォです」「こんにちは」
「まあ、あなたは可愛らしいわね。この学校はどう?」
「はい、皆さんとても良くして下さいます。とても良く。私たちにはそんな価値は無いのに
イディの発言にぎょっとする査察官。「え、どういう意味?価値が無い?」
「イディ、授業があるんじゃないのか?そろそろ行ったほうが…」あわてるローガン。しかし構わずイディは喋り続ける。
「だって私たち生徒は、おわかりになりませんか?私たちはみんな怪物です

「本当は私たちを治してくれる方法を見つけてくれたら良いんですけど、少なくともここは安全ですから。私、とても感謝してるんです。だって必要が無ければ、また人殺しをしないで済みますもの」
「また、人殺しを?」
目をパチクリさせる査察官に、「さあ、そろそろ行きましょう」とあわてて促すローガン。

「あの人たちが何かメモるたびに、背筋が凍るわ」とキティ。
「クワイアはどこだ?あいつがまた暴動でも起こしたら最悪だぞ」
「心配しないで、手は打った」
その頃、クエンティン・クワイアことキッドオメガは、キティの友達の子竜・ロッキードの監視つきで部屋に閉じ込められ不貞腐れていた。「初日から監禁かよ」床にはでっかく「俺は政治犯だ!」という落書きが。

「もう後が無え。あの毛玉野郎が何とかしてくれなかったら…」
「大丈夫、ハンクを知ってるでしょ。あんな口の上手い人はいないもの。5分もすればお友達になってるわよ」
学園地下のメインコントロールルーム。ハンクことビーストは何やら喚いていた。
「コーヒー!大急ぎでコーヒーを我輩の食道に流し込まんと、全員窓から放り出すぞ!」
「あの…ハンク?教育省の査察官の方が見えてるんだけど…」
しかしビーストはキティの声に耳を貸さず、コーヒーをガブ飲みしながら目の前の機械と格闘している。
「西棟にパワーの変動…反重力塔Zは…ブツブツ…」
「ハンク!」
「問題リスト追加。二日前、誤って校舎全体に異次元の扉を開いてしまったが、そこから異次元のグレムリンどもが溢れ出している?なに、学園初日にはありがちなトラブルだ…やあ、その愛らしい方々はどなたかな?」やっとキティたちに気づいたビースト。

「ハンク・マッコイです。光栄ですな…魅了してしまって。ちょっと失礼しますよ。宇宙便が届いてるのでね」
ローガン「またシーアの機械か?」
「ああ。親愛なる友人、シーア皇帝のグラディエイターは我々の巣立ちに際し、進んだ異星テクノロジーを提供するという約束を守ってくれてるよ。最新の荷物には、何か特別な品が入っていると言っていたが」


「道を空けろ、人間ども!シーアの王族のお通りだ!」
特別な品とは、この少年だった。グラディエイターの息子・キッドグラディエイターだ。横に付き従うのは、ボディガードの女戦士ウォーバード
「なあウォーバード、なんだって父上は俺をこんな辺境のクソ惑星に寄越したんだ?」
「おそらくあなた様が先ごろ帝都の半分以上を破壊したことに関連があるのではございませんか?若君」
「ちぇ、ちょっと遊んだだけなのに。まあいい、少なくともお前がいる。エイリアンの野蛮人どもから俺を守ってくれる、最高のボディガードがな」
「むしろ、あなたから彼らを守ることになりそうですけど」小声でつぶやくウォーバード。
「人間ども!キッドグラディエイターは腹がすいたぞ!お前らの新しい支配者に食事を持ってまいれ!」


「ヘンリー!この役立たず!」手助けしてくれないビーストにキレるキティ。そこにアイスマンことボビー・ドレイクがやってくる。
「どんな感じだい?」
「スコットに電話しろ。まだ俺らに部屋を貸してくれるか聞いといてくれ」
「ハッ、そんなに酷いの?」
ちょっと外の空気を吸ってくると言うローガンに、ボビーは来客が来ていると告げる。ローガンが校門まで行ってみると、そこには一人の少年が立っていた。

「やあ、待ちかねたよ。あんたが伝説のウルヴァリンか。僕はケイド・キルゴア。キルゴア軍事産業のCEOだ。でももっとあんたたちに馴染みのある組織の代表でもある。僕はヘルファイアクラブの新しいブラックキングさ」
キルゴアは得意げに語りだす。今回のX-MENの分裂を引き起こした原因は、他ならぬ自分だと。クワイアを操り騒動を起こしてミュータントの差別を煽り、新型センチネルでユートピアを襲った。目的はヘルファイアクラブの実権を握ること、そして世界中に自分の作った新型センチネルを売りさばくこと。「どう?僕の計画は上手く行ったろ?」

「てめえ、狂ってるのか?それとも死にたいか?俺にそんなことを言いに来るとは」
「いや、どっちでもないよ。僕は何かな?12才の子供だよ。どこの法廷に出ても清廉潔白って奴さ。僕の体に傷一つでもつけたら、弁護士がイナゴの大群みたいに押し寄せるぜ」
「俺は手を出さねえさ。ただし、代わりをやってくれるガキどもがゴマンといるぜ。失せろ、二度と来るな」
キルゴアを放り出すローガン。しかしキルゴアはつぶやく。
「ああ、白状するよ。この学園は全く予想外だった。『ウルヴァリンの恵まれし子らの学園』だって?全く笑っちゃうぜ。でもまあいい。言ったろ。ミュータントへの嫌悪と恐怖が増すほど、僕は大儲けできるんだ。ミュータントの子供に人間と平和に共存する方法を教える?そりゃ困るな。ここに宣言するぜ…こんな学校は僕がブッ壊してやる

ローガンが校舎に戻ると、査察官たちがバンフ(ビーストが言ってた異次元の生物、故ナイトクローラーを小さくした感じ)の群れに襲われ、悲鳴を上げて逃げ出すところだった。

「初日だぞ。校長になって初日からこれかよ!くそ!
度重なるトラブルに、ついにキレてネクタイを地面に叩きつけるローガン。しかしその時、地響きが…地面から巨大な怪物が現れ校舎を飲み込もうとしていた!
「ハッ!言ったろ!」ケイド・キルゴアの嘲笑が響く…

「ようこそ、X-MENに!さあ死にな!」



新シリーズの初回なので、かなり丁寧に紹介してみたが、いかがだったろうか?
翻訳だとこの間「アストニッシングX-MEN」が出たところなので実感が湧かないかも知れないが、「メシア・コンプレックス」(2007-2008)で旧エグゼビア学園が破壊されてから、実に4年ぶりの学園復活である。X-MENとしての基本に戻ったというところか。クリス・クレアモントの時代、グラント・モリソンの時代、あるいは「ジェネレーションX」。X-MENは常に「学園もの」の側面を持っていた。ミュータント差別との苦しい戦いはあっても、そこには常に笑いと暖かさがあった。X-MENはチームである以前に学校であり、そこに集まる者は家族だったのである。ユートピアに移ってからのシビアで暗いX-MENで失われていたものが確かにここにはある。「やっぱX-MENはこうでなくっちゃ!」と嬉しくなってしまった。くそ、俺はこのコミックを愛してるぜ!
ネクタイを締めるウルヴァリンというヴィジュアルからしてそもそも可笑しいが、教育省のお役人相手に、いつものように暴力に訴えるわけにも行かず、右往左往する姿も可愛いというか、この似合わなさが良い。相棒役のキティとのコンビも最高。日本だとウルヴィーの相棒というとジュビリーだろうけど、元祖はキティですからね。正に彼女はウルヴァリンの最初の生徒だったわけだ(昔からウルヴィーって人は面倒見が良いのだ、本人がどう言おうと)。
相変わらず壊れてるイディ、ブルー(ブルードの少年)やキッドグラディエイターなど、生徒たちにも注目。特にキッドグラディエイターですよ。「え!?あのモヒカン、子供いたの!」という驚きを禁じえない。横にいる女戦士ウォーバードにも興味引かれるわ~なにこの美人さん。
ジェイソン・アーロンは血なまぐさいハードボイルドな作風で知られているが、ここに来て新たな才能を見せてくれた。驚くには当たらないか。ナイトクローラーの追悼話みたいに泣ける話や、「Astonishing Spider-Man & Wolverine」みたいなスラップスティックも描いてるし。本当に才能のあるライターさんだと思う。(一生付いていくよ!)
日本でも人気のあるアーチスト、クリス・バチャロ。久しぶりに相応しい題材にめぐり合い、筆も乗っている。今回はカラーも担当するという気合の入れよう。正に「ジェネレーションX」の再来だ。ただ向こうの掲示板などを見ると、彼のアニメ調の入ったアートには若干の賛否両論はあるようだ。私は文句なしに好きなんだけど。

順調なスタートを切った「ウルヴァリン&The X-MEN」(ジーングレイ学園のスタートはあんまり順調とは言えないが)。初回はアクションらしいアクションは無かったが、既に発売されている#2では、一転してアクション満載。お楽しみはこれからだ。

<評価>9.5

  
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