ウルヴァリン その魂の軌跡(前編)

新シリーズ「ウルヴァリン&X-MEN」において、ウルヴァリンはプロフェッサーXの夢を継ぎ若きミュータントのための学び舎「ジーン・グレイ学園」を始めることになった。「何故ウルヴァリンが学校を?」という疑問は誰しも持つことだろう。「ウルヴァリン&X-MEN」#1の紹介を始める前に、ここ数年のウルヴァリンが辿ってきた道を振り返ってみようと思う。

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ウルヴァリン 本名:ジェイムズ・ハウレット 通称:ローガン
超回復能力と獣のような超感覚を持つミュータント。政府の超人兵士開発計画ウェポンXにより、破壊不能の金属アダマンチウムを骨格に移植された。何物をも切り裂くアダマンチウムの爪が武器。また回復能力のため非常に長命で、X-MENのメンバーになる以前から、傭兵、スパイなど様々な経歴を持つ。記憶に障害があり、その過去は長い間、本人にとっても謎のままだった。
ウルヴァリンはその登場以来ミステリアスな過去を持ち、それが大きな魅力でもあったが、ついにマーベルはその封印を破る決心をした。まず「ウルヴァリン:オリジン」において出生の秘密が描かれ、「ハウス・オブ・M」において、ついにローガン本人がその全ての記憶を取り戻す(この2冊は既に翻訳本が出ているので細かい説明は省きます)。



記憶を取り戻したウルヴァリンの過去を辿る旅は、2006年に始まった「Wolverine: Origins」において描かれることになる。ここで彼は日本人女性イツとの間にできた息子ダケンが生きていることを知り、また過去において自分を洗脳し悪事を働かせてきた黒幕ロミュラスの存在を知る。ウルヴァリンはダケンが自分と同じようにロミュラスに利用されていることを知り救おうとするが、ダケン自身はウルヴァリンに憎悪の感情を向けていた(この一筋縄では行かない親子関係は現在でも続いている)。
また彼が記憶喪失に陥った過程も明らかになる。ウルヴァリンが最初にプロフェッサーXにスカウトされX-MENになった時、実はロミュラスからプロフェッサーXを殺すように命じられていた。教授は間一髪サイブラストにより難を逃れたが、ロミュラスの洗脳は強力で、ウルヴァリンをその鎖から開放するためには彼の記憶のほとんどを消去するしかなかった。つまりウルヴァリンの記憶喪失の原因は、他ならぬプロフェッサーXだったのである(ただしウルヴァリン自身は後にこの事実を知った時、「あんたは俺の人生を救ってくれたんだ!」と教授に感謝している)。

こうして念願の自分の過去を取り戻したウルヴァリンであったが、そのことで心の平安が訪れたわけではなかった。ロミュラスに操られていたとはいえ多くの人間の命を奪ってきたという事実は、より深い苦悩を彼に与える結果となったのだ。

ロミュラスに復讐を果たしたウルヴァリンだったが、それで過去の罪業が消えたわけでは無かった。彼は繰り返し自分に問う。
「誰のせいでもない、自分は元々こういう人間ではなかったか?」
彼は自らの過去から逃れるように、X-MENやアベンジャーズとしてのヒーロー稼業にのめりこんでいく。暗い人生を歩んできた彼にとっては、スーパーヒーローとして人々を救うことはそれ自体が(言ってしまえば)リハビリであった。
しかしそのヒーロー世界にも影が差してくる。
まずヒーロー同士の「シビルウォー」が起き、キャプテンアメリカが命を落とした。このことはウルヴァリンにとってもショックだったようで、自ら遺体を確かめるため危険を冒したほどだった。政府から追われ地下に潜ったアベンジャーズの一員としてウルヴァリンはチームを支え、「Secret Invasion」において異星人スクラルの侵攻と戦い、ノーマンオズボーンの暗黒の支配に抵抗した。

そしてX-MENの世界はより過酷な状況にあった。ハウス・オブ・M事件により数百人に減少し、種として絶滅の危機に瀕したミュータント。さらに反ミュータント主義者がこれを好機と攻撃をかける。ノーマンオズボーン支配下の世界、ついに居場所を無くしたミュータントは、サンフランシスコ沖に浮かぶ孤島ユートピアに避難する羽目になった。
リーダーであるサイクロップスは、種の存続のためあらゆる手段を取る決意をする。彼はウルヴァリンに暗殺チーム「X-FORCE」の結成を指示した。

ウルヴァリンは殺しという手段に関しては賛同した。元々殺しは彼の領分であり、他のヒーローが躊躇う状況の中、汚れ仕事を引き受けるのは彼の役目であった。しかし彼は他のX-MEN、特にX-23(彼のクローン)やウォーパスら若者が殺しの世界に関わることには、最後まで反対していた。しかしサイクロップスが意に介さなかったことは、彼には少なからずショックだったはずである。
かつてウルヴァリンが暴走する度に「X-MENは殺しはしない」と止めていたのは、他ならぬサイクロップスだったのだから。
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しかし結局ウルヴァリンはサイクロップスの命令に従い、X-FORCEを指揮し反ミュータント主義者のピューリファーを処刑していった。後にこのX-FORCEの存在が他のX-MENに露見した時、ビーストやストームはサイクロップスを激しく非難している。

また、ミュータントの救世主だと予言された少女ホープを巡る戦いで、親友であるナイトクローラーが死んだことはウルヴァリンにとって深い傷になった。
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ナイトクローラーことカート・ワグナーはその悪魔のような外見に反し信心深く明るい男で、ウルヴァリンの荒っぽい生き方をいつも心配していた。ウルヴァリンはそのニヒリストな性格で「神なんてどこにいるんだ?」とカートの言葉をいつも真剣には聞かなかったが、カートはウルヴァリンの本質が善であることを最後まで疑わなかった。彼が残した「遺言」は、ウルヴァリンの生き方に少なからず影響したように思われる。

ノーマンオズボーンの支配は終わりキャプテンアメリカことスティーブロジャースも生還し、世界はヒロイックエイジを迎えた。ミュータントもバスチオン率いる反ミュータント主義者たちを退け、救世主ホープの力か新たなミュータントたちが誕生し、ひとまず絶滅の危機から逃れた。
世界が明るい方向に向いたことは、ウルヴァリンにも希望を抱かせる。ちょうど同じ頃、彼はレポーターのメリータという女性と恋人になる。過去に愛する女性をことごとく失ってきた彼は最初躊躇ったが、気丈で明るい性格(かつ常識人)のメリータは彼の考えを変えたのだった。
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しかしウルヴァリンに復讐を企てる謎の集団が、彼を(文字通り)地獄へ落とそうと狙っていた…
(今回はここまで!次回後編に続く)


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