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アベンジャーズ VS X-MEN: インフィニット #6 レビュー

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Avengers Vs. X-Men: Infinite #6
Story by:Mark Waid, Yves "Balak" Bigerel Art by:Carlo Barberi, Yves "Balak" Bigerel
Jun 20th, 2012/Marvel Comics

 『AvX』タイイン!アベンジャーズ VS X-MEN 記事リスト

<ストーリー>
 フェニックスの力を手に入れた、X-MENのリーダー・サイクロップス。彼は新たに得た強力なテレパシー能力により、頭の中に入ってくる人々の心の声の喧騒に耐えかね、静寂を求めて月に赴く。
 彼の足は、自然に月のブルーエリアに向いていた。そこはかつて、『ダークフェニックス・サーガ』において、ジーン・グレイがフェニックスの暴走を止めるために、自らの命を断った場所だった。
 彼は、話し相手を求め、月の塵の中から、ジーンを甦らせる……

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「こんにちは、スコット。元気だった?良いコスチュームね。それはあなたのパワーを表してるの?それとも、私を思い出すため?」静かな微笑みを浮かべながら、ジーンの亡霊はそう語りかけた。
「思い出させるものなど、必要ない。ジーン」
「初恋は、心に引っかかっているものでしょう?そんなセンチメンタルじゃないか。実際、あなたはフェニックスの力を、とても良く、そして論理的に使ってきたわ……ここまでは」
「ここまでは?」ジーンの意外な言葉に、サイクロップスは驚く。
「フェニックスの力があなたと結びついた時、どう作用するか、知っている者はいないわ。でも私の考えでは、あれはあなたを増幅させるのよ」
 そして、ジーンは自分の場合に、何が起こったかを語りはじめた。

「あれは、私の感情に豊かさを見出したの。私の感情は、いつも少し大きすぎたけど、フェニックスはそれを肥大化させた。私の喜び、悲しみ、そしてあなたへの愛を。これ以上ないほどに」
 ジーンの感情は、宇宙に広がり、そして彼女に無限をかいま見させた。そして、そうなった時、彼女は気づいてしまった。自分以外のものが、あまりにちっぽけだということに。

「それは、君の体験だ」サイクロップスは、そんなジーンの説をはねつける。
「私は、いつも君よりも自制的だった。君も昔、言っていただろう。私はいつも、抑制をひねり出すと。もしフェニックスの力を抑え込める者がいるとすれば、それは……」
 この私だ―――そう言おうとするサイクロップスを、ジーンが遮った。

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「待ってよ、スコット。コントロールを失うんじゃない。パースペクティブ(遠近感)を失うの。あなた自身を失うのよ。あなたの場合は、今のあなたを作り上げてきた、全ての闘争と不正義に対する、感情的な記憶を失ってるのよ。だからここに来たんでしょう、スコット。自分を試すために。あなたがかつて体験した、感情を制御できなかった、最もトラウマを覚えた瞬間に、あなたの魂がまだつながることができるか、を。そして、できなかった」

 ジーンの言葉に、サイクロップスはようやく今の自分を理解する。
「君は正しい。自己犠牲、高貴さ、悲しみ、愛でさえも……全てが、ちっぽけに見える。まるで夢の記憶のように。ここで起きたことを思い返してみても……」

 サイクロップスの脳裏に、ジーンの死の瞬間が甦る。「ジーン!」そう叫ぶ、自分の悲しみの声も。しかし……

「君の……彼女の犠牲は理解できる」サイクロップスは冷たい表情で言った。
「しかし、正直に言って……取るに足らないと感じる。何の意味がある?私が気に病むことか?この力に、この無限の力に関わらず……」
 そこまで言って、戸惑ったようにサイクロップスは訊いた。
「……私はまだ人間性を持っているのだろうか?」

 ジーンは寂しげな微笑みを浮かべたまま、答えた。
「もしあるなら……月の塵から、死体を再現したりする?」

 ジーンの言葉にハッとしたサイクロップスは、無言で、ジーンを元の塵に戻した……

 月を後にするサイクロップス。
「あれは警告だった。用心をしなければならない。フェニックスに私を変えさせてはならない。私は、今までの自分を保たねばならないんだ。なぜ戦ってるのか、思い出さねば。もし私がその視点を失ったら、全ては一体、何のためなんだ?」

               『一握の塵』・完

<感想>
 『アベンジャーズ VS X-MEN』#6をデジタルで購入した場合についてくる、おまけコミック。デジタルコミックならではの仕掛けが楽しめる。リーフで買った場合は、巻末のデジタルコードを使えば、読むことができる。また、11月に出るTPB(Avengers vs. X-Men)にも収録されるので、紙媒体ではそちらで初めて読めることになる。

 しかし、まさかのジーン復活で、おまけどころの騒ぎではない。フェニックス絡みである以上、何処かで出てくるとは思ってたけど(しかしこれで、ホワイトホットルームにいる本物のジーンが出てくる可能性は減った……のか?)。

 案の定、人間性を喪失しつつあることが判明したサイクロップス。ジーンの場合は感情の暴走という形だったのが、冷静なサイクの場合は、さらに感情が死んでいく……という違いが面白い。フェニックスは、その人間の特性を増大させるってことなのか?ということは、他のフェニックスファイブは……?
 最後は、サイクが「気をつけなくちゃ」と思ったところで終わってるが、果たしてそう上手く行くだろうか。
 

 なお余談だが、最近クリス・クレアモントが、ジーンについてのコメントを出した。
 Austin Chronicle:Chris Claremont: Dead Should Mean Dead 
 クレアモントは、『ダークフェニックス・サーガ』で、あくまで本物のジーンを殺したつもりで、後にジーンが生き返ったのは編集の意向であった。
「ジーン・グレイはマーベルのものだ。しかしフェニックスは、特にダークフェニックスは、私のものだよ」

<評価>8.8

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No title

エマが教えたがりor愛する旦那の為、コロッサスがシスコンorサイトラックが暴走しそうですが、
ネイモアとマジックがどうなるか、俄か物の自分には予想が付きませんね。

No title

クリス・クレアモントの意向は別として、マーベルとしては今回出てきた月で死んだジーンはジーン本人ではなく、あくまでフェニックス・フォースが作り出した分身なのですよね…
だから今回のエピソードとは別に、ホワイトフェニックスが現れてもおかしくはないと思いますが…出ますかねえ。
でも、今回のエピソードはけっこう印象的ですね。

No title

>烏亀さん
実のところ、既に出てる新刊で、いろいろと兆候は出てます。

>としさん
本物のジーンが復活すると、それはそれで話がややこしくなるので
考えものですね。

クレアモントとしては、後付けで設定が覆っても、自分の描いた物語は
真摯なものだった、と言いたいのだと思います。
実際、ダークフェニックス・サーガはいまだにファンにとっても名作ですし。
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