ウルヴァリン & The X-MEN #11 プレビュー&レビュー(後編)

 ウルヴァリン & The X-MEN #11 プレビュー&レビュー(前編)

 シーアー デスコマンドーに襲撃される、ウルヴァリンホープ
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「俺から離れるな、分断させられるなよ」背中合わせになりながら、ウルヴァリンがホープに注意する。
「いいから、そっちこそがんばってよ、オジサン
「生意気言ってると、命取りになるぞ。こいつらは殺しのために訓練を受けた奴らだ」
「そう、でもこっちだって、生き残るための訓練を受けてきたのよ」
 言い合いながらも、息が合いつつある二人。襲いかかってくる敵に、同時に爪を突き立てた。
 ホープは自分の爪を見ながら、満足気に言った。「これの扱いに慣れてきたわ」
 しかし、ウルヴァリンはホープの慢心をたしなめる。「生意気言うなって言ったろうが。ウォースクラルに気をつけろ!」

 ウルヴァリンの忠告通り、リーダー格のウォースクラルがホープに襲いかかる。
「自分を見てみろ。なんとも若く、愚かだ。お前はフェニックスとして、一日も保つまい。知っているとも、俺は誰よりもフェニックスの宿主を殺してきた男だからな」
 そう言うと、ウォースクラルは体を変形させ、ホープの体を貫いた!
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「ホープ!」
 ウルヴァリンの絶叫が響く。しかし彼自身も、無数の殺人蟲を放つエイリアン、コロニーに襲われ絶体絶命の危機に。全身の骨と肉を食われながらも、必死に手を伸ばすウルヴァリンだが、虚しく彼の目の前でホープの命は消えようとしていた……

 だが、その時ウルヴァリンは感じた……宇宙の深い闇の中、フェニックスの怒りを!

 ホープの全身が燃え上がる!フェニックスの力の発現か・・・…彼女はその力で、デスコマンドーたちを一瞬の内に焼きつくす。
「ホープ……もういい。ホープ!」だがウルヴァリンの制止の声は、力に酔うホープの耳には届かない。
 ウルヴァリンの脳裏に、かつてのジーン・グレイの言葉が甦る……
「やって、ウルヴァリン!殺して!お願い!私がコントロールを失う前に!」
 今がその時なのか……?ウルヴァリンの腕にアダマンチウムの爪が閃く……

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 …………だが、ウルヴァリンには、できなかった。

 落ち着きを取り戻したホープは、ウルヴァリンの心中も知らずに言った。
「炎が強くなってる。フェニックスが近づいてるんだわ。出発しましょう、月に行かなきゃ。ほら急いでよ、オジサン!」
 その背中を見ながら、ウルヴァリンは心の中でつぶやいた。

「事実に向き合う時だ。俺には、決してできない。俺には彼女を殺すことはできない、どんなことがあっても。

 彼女が、ジーンを思い出させるからじゃない。赤い髪を別にすれば、実際そんなことはない。
 ジーンは、俺の知っている、最も素晴らしい女性だ。俺がホープを見る時、俺に見えるのは、ただの子供だ。
 何か理由さえあれば、いつでも、どんな相手でも殺せる。そう思っていた時もあった。だが、そんな時は、もう過ぎ去った。

 たとえ世界を救うためであっても、ホープの血で汚れた手で、どうして学園に戻って子供たちと向きあうことができる?どうやって、俺自身に向きあえるんだ?
 俺が戦うのは、そんなことのためじゃない。俺はそんな人間じゃない

 ウルヴァリンは、一度は袂を分かった相手、キャプテンアメリカに連絡し、月に向かっていることを伝えた。ホープを救うために。
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「俺はウルヴァリン。俺の右に出る奴はいない。もし、誰か仕置きが必要な野郎がいれば、いつでも俺を呼びな。
 だが、俺は子供を殺す男じゃない。彼らを救う男だ」


 一方、アベンジャーズとX-MENの戦いがヒートアップする中、キッド・グラディエイターが乱入し、更に混乱する。
 ジーン・グレイ学園では、キティと生徒たちが、授業もそっちのけで、戦いの中継に見入っていた。しかし、そこに予期せぬ訪問者が……
「X-MEN!私の息子はどこだあ!?」
 それはシーアー帝国の皇帝グラディエイター、その人だった!

<感想>
 『AvX #3』でホープを殺そうとしていたウルヴァリンが、何故『AvX #4』ではそれを断念したのか。その心の動きを追うタイイン。
 ウルヴァリンのファンとしては、非常に重要な一編。
 ジェイソン・アーロンがライターに就任して以来、ウルヴァリンというキャラクターには変化が起こっていた(詳しくは、ウルヴァリン その魂の軌跡(前編)及び、ウルヴァリン その魂の軌跡(後編)を)。
 学園を運営し、そこの校長先生となり若者たちの面倒を見る……おそらく10年前なら(本人もファンも)考えもしなかったことだろう。元々キティやジュビリーに好かれていたように、面倒見の良い面を持っていたが、あくまでも暴れ者のアウトローが、彼のキャラクターだったはずである。『X-Men: Schism』で学園を再開することになっても、半分は勢いで始めたことで、本人は自分の行動の理由に、自覚的ではなかった。

 しかし、今回のエピソードで、ついにローガン本人が自覚してしまった。自分がどういう人間であるかを。自分の優しさを。それは同時に、子供たちを守る=ミュータントの未来を守る、という、自らの役割に対する自覚でもある。ヒーロー性の強化とも言うべきか。
 アンチヒーローの代名詞だったウルヴァリンが、こういう変遷を辿っているのは非常に興味深い(これはサイクロップスが、徐々に道を踏み外していることとも、当然、対になっていると思われる)。
 個人的には、ローガンさんの優しい面も好きなんだけど、悪党を容赦なく仕置きするバッドアスな面も当然好きなので、裏稼業のXフォースも辞めないでほしいとは思ってるんだけどね。
 
 ところでホープちゃん。なんかいつの間にやら、「嬢ちゃん」「オジサン」と呼び合うようになってるし!!ローガンさんは今まで情が絡まないように、彼女と距離を置いてたのにねえ。こうなっちゃうと、ますます殺せるわけがない。
 ローガンさんもはっきり宣言した以上、ちゃんとホープを救ってやってくれ。しかしフェニックス相手に、一体どうするつもりなのか……今後が心配である。

 アイスマン VS レッドハルク、エンジェル VS ホークアイ、レイチェル VS アイアンフィストなど、その他のバトルも面白かった。

<評価>9.0

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