ウルヴァリン & The X-MEN #10 プレビュー&レビュー(後編)

『AvX』タイイン!アベンジャーズ VS X-MEN 記事リスト

<ストーリー>
 サイクロップスが、ジーングレイ学園に現れた。ウルヴァリン(ローガン)とサイクロップス、X-MENのリーダー同士の、話し合いが始まる……
ウルヴァリン & The X-MEN #10 プレビュー&レビュー(前編)

「ジーングレイ学園か……正直言って、お前に感謝すべきか、顔面を殴り飛ばすべきか、わからないな」
 亡きジーン・グレイの銅像の前で、サイクロップスは感慨深げにつぶやいた。
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 だがローガンは、冷たく言い返した。
「白旗に免じて5分だけだ、スリム。もう時計は動いてるぜ」
 促され、サイクが本題に入る。
「お前に、考えを変える最後のチャンスを与えに来たんだ。事態が悪化する前に、正しい側に付くチャンスをな」
「正しい側だと?気でも違ったのか?」
「お前がユートピアを離れる時、いつかこの日が来ると言っただろう。目を開けて見てみろ、ローガン。我々の生き方が侵害されたんだ。今まで以上に、ミュータントは団結しなければならない」
「我々の生き方?自分が何を言ってるのかも、わからなくなったのかよ?」
「私は危険を冒して、ここに来た。おそらくお前は、とっくにアベンジャーズを呼ぶことも出来ただろう。しかし、お前自身から、この耳で聞かなければならないんだ」
「そりゃ、楽しみなこった」
 そっぽを向いたままのローガンに、サイクはなおも続けた。
「我々の違いがどうだろうと、お前がどこに住もうと、どこのチームに所属すると決めようと、結局のところ、いざという時にはいつも、私はこう考えていた……
ウルヴァリン以上のX-MANは、いないと。お前の口から聞きたい、ローガン。今この場で、どうしても知りたいんだ。
アベンジャーか、X-MANか、友か敵か……お前は何者だ?」

 熱っぽいサイクの言葉だったが、ローガンは不機嫌に答える。
「何をぬかしてやがる、スリム?王座にふんぞり返って、誰がX-MANで誰が違うだの、決めてるんじゃねえや。俺は、X-MANであることをやめた憶えは無え。俺はただ、お前に付いていくのをやめたんだ。道を外れたのは、お前のほうだぜ。手遅れになる前に、正しい側に付くのはお前のほうだ。フェニックスが、星を破壊しながら宇宙を飛んできてんだ。この地球に向かってな!議論の余地は無え、スコット!あれが俺たち全員を皆殺しにする前に、止めるんだ!」
「それは風が吹く前に、雨が降る前に止めると言ってる様なものだぞ。フェニックスは自然の力だ。そして、あれが戻ってくるのには理由がある。もしあれが我々を滅ぼそうとしてるなら、とっくの昔にやってる。ミュータントが絶滅の淵にある時、フェニックスが再び我々に輝いた。我々に、ホープ(希望)を与えた。文字通りの意味でも、比喩的な意味でもな。あれが戻ってくるのは、始めたことを終わらせるためだと、私は考えている」
 ローガンは、にらみながら言った。
お前はただ、大量破壊兵器を手に入れたいだけだ。俺たち二人とも、わかってるこった。お前はまだ世界を威圧して、自分を尊重させようとしている。フェニックスが側にいることほど、都合の良いことは無え。お前は世界の運命で、ギャンブルしてるんだぞ、スコット。お前の女房を何年もの間、人形のように弄んだ、狂った宇宙の火の鳥と、16歳の何が起きてるかもわかってねえ女の子に全てを賭けてな」

 のどかな学園の中を歩きながら、サイクはなおも言った。
「私には、お前がここに戻って学校を始めた理由は分かっていた。お前の理屈には賛同はしなかったし今もしていないが、理解はしている。お前はいつも自分のことを、誇りある男だと思っている。サムライだと。足首まで血に浸かって立っている時でもな。
お前は、世界のどこかに無垢な物があると思えばこそ、自分の背中に闇を背負っていけると感じているんだ。自分のためでなくとも、少なくとも他の誰かのために。
私も、お前と同じことをしたいんだよ、ローガン。私は、より良き世界を望んでいる、我々全てにとって。特に、あの子供たちにとって。私もお前のように、そのためには何でもするつもりだ。
たとえ、私自身は、そこにたどり着けなくとも。その途上のどこかで、かつての私だった人間を、失うことになろうとも。そんな世界を実現するつもりだ。お前がいようといまいと。子供たちに、我々がいつも求めていた世界を与えるつもりだ。我々が約束され、ついに得られなかった世界を」
 サイクの言葉を、馬耳東風といった風情で聞き流すローガン。構わず、サイクは続ける。
「私を止めたければ、好きにするがいい。最後に握手して、仲直りすることはないぞ。今回は、真の勝者と、真の敗者がいるだけだ。全てが終わった時、約束された地には、X-MENがいる。そして、我々を止めようとした連中が。お前はどっちの側にいたいんだ?」

「時間切れだ」冷たく、ローガンは言った。
「ここは良いところだな」
「あと30秒以内に出ていかねえと、ライカーズ刑務所にご案内してやるぜ」
「少なくとも、私は努力はした。また近いうちに会うだろう、ローガン」
 立ち去ろうとするサイクの背に、ローガンが疑問を投げかける。
「おい、本当のところ、なんでここに来た、スコット?俺の気が変わらねえことは、わかってたはずだぜ」
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 口元に笑みを浮かべながら、サイクはこう答えた。
「たぶんな、だが忘れるなよ……ここにいるX-MENはお前だけじゃない」

 マジックのテレポートで、サイクたちは去っていった。
「全部、聞いてたんだろう?」ローガンはテレパスのレイチェルに尋ねる。
「これで、俺たちが相手をしてるのが、どんだけ強情で傲慢なバカ野郎か、わかったろ。俺がなんで奴と戦わなきゃならないかもな」
 レイチェルはローガンの方を見ずに言った。
「戦いたいのは、あなただけじゃないわ」
「いいとも、アベンジャーズはあらゆる手助けを必要としてる。学園の安全が保たれてるなら、いつでも歓迎さ」
「ああ、でも、あんたの側で戦う必要は無いな」
 そう割って入ったのは、アイスマンだった。傍らには、ガンビット、チャンバーもいる。
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「私は、フェニックスフォースがコントロールできることを知っているわ。私がやったもの。私はあれを、他の誰よりも長い間、扱ってきたのよ。もしあれがホープを選ぶなら、もしそれが彼女の望む運命なら、私は手助けするわ」レイチェルはきっぱりとそう言った。
「俺はアベンジャーズが、前から気に食わなかったんだ。奴ら、いくらチームを作っても、南部にゃ話も無え。納得いかねぇなぁ」冗談めかして、ガンビットも参戦を表明する。
「僕もユートピアには友人がいる」とチャンバー。
 
 そして最後に、アイスマンが言った。
ジーンは、僕の最も古い友人の一人だ。彼女は二度死んだ。どちらの時も、僕は立ち会えなかった。彼女を助けようとすることさえかなわなかった。もしジーンがここにいたら、僕のパワーの全てをかけても、ホープを助けてほしいと思うはずさ」
 ローガンが、暗い表情で答える。
「そうかい、だったら俺と一緒に来い。それがアベンジャーズのやろうとしてることだ」
 だが、アイスマンの返答は変わらなかった。
「僕がなぜあんたと一緒にウェストチェスターに付いてきたか、わかってるか、ローガン?
スコットのことを信頼しなくなったわけじゃない。あいつは、この世の誰よりも、僕の命を助けてくれた男だ。僕が来たのはね、あんたに必要とされたからさ。あんたが僕の助けを必要としたからだ。だから、これが終わったら、僕らが始めたことを続けるために、ここへ戻ってくるよ」
「戻ってくる場所が、あれば良いがな」
 ローガンは全員に背を向け、一人で歩き出した。

 もう一人、アイスマンたちに加わる者がいる。エンジェルだ。
「私も行く。自分が本物の天使じゃないことは、もうわかっている。天使なら嘘はつかないのに、私は嘘をついてしまった(*エヴァンに言った言葉のこと)。自分がミュータントなら、自分の役目を果たしたい。道々、誰と戦うのか説明してくれ」
 こうして、ジーングレイ学園のX-MENからも、アベンジャーズとの戦いに参加する者たちが現れたのである。
 
「はい、ショーは終わりよ、みんな授業に戻って」一連の出来事を興味しんしんで見物していた生徒たちを、ハスクが教室に戻るように促している。子供たちを見ながら、ローガンは心の中でつぶやく。

 痛む。爪を出す時はいつも。
 だが、もし俺がやらかったら?
 その時は、誰が傷つくことになるんだ?


「ローガン先生?」
 その時、声をかけてきた者がいる。イディだ。彼女は不安そうに聞いた。
「ホープにトラブルなんですか?」
「わからない、イディ。そうでないことを祈ろう」ローガンには、そう言うのが精一杯だった。
「ホープは私の親友です、この世界の誰よりも大事な。お願い、約束して下さい。ホープに何も起きないようにするって……」
 ローガンの通信機が鳴る。アベンジャーズからの召集だ。
「お願い……」
 イディが消え入るような声で、哀願する。だがローガンには何も答えることができなかった……

 その頃、フェニックスの寄り代であるホープを抹殺するべく、シーアー帝国から送り込まれたデス・コマンドー部隊が地球に襲来していた!

<感想>
 『X-Men: Schism』で袂を分かって以来の、ウルヴァリンとサイクロップスの直接対談。これまで『アンキャニイ X-MEN』誌#9、10などで顔は合わせていたものの、ほとんど会話らしい会話は無かったので、ファンにとっては、待望と言っていいだろう(おかげ様で、この通り長くなりました)。
 最近のサイクには正直付いていけない部分もあるんだが、「自分はどうなってもいい」と覚悟を語る部分には、思わず泣かされます。って言うかサイクさん、死亡フラグ立てまくりじゃね?
ま、こういう人は案外死ななかったりするんだが。
 みんなにそっぽ向かれてかわいそーなローガンさんですが、ま、しゃーないな。照る日もありゃ曇る日もあらぁ。男は耐えねばならぬ。
 
 今回も、アーロン&バチャロのコンビは良い仕事でした。この『WAXM』誌特有のユーモアも健在で、特にエマ VS キティの、対抗心むき出しの女教師対決など面白かったです。

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エマ「テストの成績は?」
キティ「模範的よ」
エマ「そう、私が教えたことを全部台無しにはしてないようで、何よりだわ」
キティ「あなたのところと、うちの生徒でクイズボウルの対抗戦をやるなら、いつでも受けて立つから知らせてちょうだい」

<評価>9.0

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まとめtyaiました【ウルヴァリン

『AvX』タイイン!→アベンジャーズ VS X-MEN 記事リスト<ストーリー> サイクロップスが、ジーングレイ学園に現れた。ウルヴァリン(ローガン)とサイクロップス、X-MENのリーダー同

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No title

いつも見てます!
今回はセリフが熱いっスね。一コマに詰め込むアメコミの良さが出ているような
シーアー帝国まで出て来ちゃって広げたフロシキをどこでまとめるんでしょうか
まさかコスミックビーイングまで広がるんじゃ……

No title

>studentx さん
コメントありがとうございます。
コズミックビーイング系は、セレスティアルズなんかは出てきそうだと思ってるんですが、どうなんでしょうね。
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